ゲリラ豪雨対策の罠! 選び方を間違えたUPSで突然のシステム停止?!

みなさま、こんにちは。

近年、激甚化するゲリラ豪雨やそれに伴う落雷。家庭であれば「停電でPCの電源が落ちて困る」程度で済むかもしれませんが、工場や事務所において電源トラブルは事業の存続を揺るがす甚大な被害に直結します。

そのため、UPS(無停電電源装置)の導入を検討される企業が増えていますが、「とりあえず予算内で安価なUPSを買っておこう」と考えている方は、少しお待ちください。

実は、近年の産業用機器やサーバーに標準搭載されている「アクティブPFC」という回路は安価なUPSに多い『矩形波(くけいは)出力』と非常に相性が悪く、停電時にシステムが落ちるだけでなく、最悪の場合は機器の故障を招く恐れがあります。

今回は、設備管理者やIT担当者の皆様に向けて、この2つの組み合わせがなぜNGなのか解説します。

工場を襲う本当の恐怖は「停電」ではなく「瞬低」

雷が鳴った時、一瞬だけ照明がチラついた経験はありませんか? これは落雷の影響で送電ルートが切り替わる際に生じる「瞬低(瞬時電圧低下)」と呼ばれる現象です。時間はわずか0.07秒〜0.2秒程度ですが、工場にとってはこれが致命傷になります。

【工場・事務所で起きる瞬低の被害例】

  • 制御機器(PLC)のリセット: 生産ラインが緊急停止し、復旧・原点合わせに数時間のダウンタイムが発生。
  • 仕掛品の廃棄: 製造途中の製品が不良品となり、追加の材料費と廃棄コストが発生。
  • 産業用PC(IPC)やサーバーのデータ破損: データの消失やハードディスクの物理故障を引き起こし、基幹業務が停止。

これらの精密機器は、雷サージガード(過小・過電圧保護タップなど)だけでは守れません。電圧が「低下」した瞬間に瞬時に電力を補うUPS(無停電電源装置)が絶対に不可欠なのです。

安さで選ぶと大失敗!
工場に潜む「アクティブPFC」と「正弦波」の罠

「UPSが必要なのは分かった。とりあえずネットで安いのを何台か買おう」
ちょっと待ってください! その選び方、最悪のシステムダウンを引き起こす可能性があります。

UPSの出力波形には大きく分けて「正弦波」と「矩形波(疑似正弦波)」があります。安価なUPSの多くは「矩形波」ですが、これを工場や事務所の機器に繋ぐと非常に危険です。その原因が「アクティブPFC(力率改善回路)」です。


現場に普及する「アクティブPFC」搭載機器

現在、省エネやノイズ低減の目的から、多くの業務用電子機器の電源ユニットには「アクティブPFC」が搭載されています。

これは、機器に流れる電気を綺麗に整え、無駄遣いをなくすための「エコで賢い回路」であり、現代の高度な電子機器には欠かせない機能です。(特に「80PLUS認証」を受けた電源には例外なく搭載されています。)

【アクティブPFCが搭載されやすい機器】

  • 産業用スイッチング電源
  • 制御盤内に組み込まれた産業用PC
  • 3D CADなどを動かすハイスペックPC
  • 事務所のPC・基幹サーバー・NAS …など

しかし、この回路は「綺麗な波形(正弦波)」が来ることを前提に作られているため、安価なUPSが作り出す「いびつな波形(矩形波)」が来ると、回路が『異常電圧だ』と勘違いして過剰に反応し、誤作動を起こしたり、最悪の場合はシステム停止してしまいます。

【危険】アクティブPFC搭載機器に「矩形波出力」のUPSを繋ぐとどうなる?

安価な「矩形波UPS」の多くは、バッテリ運転時に「矩形波(四角い波形)」や、階段状に電圧を変化させる「疑似正弦波(ステップウェーブ)」を出力します。これらは電圧がゼロから一気に立ち上がる急峻な変化(段差)を持っています。

アクティブPFC回路がこの急激な電圧変化を受けると、制御回路が波形の変化に追随できず、瞬間的に定格を大幅に超える大電流(突入電流・過電流)を引き込んでしまいます。
これがすべてのトラブルの引き金となります。

産業用機器への具体的な影響とリスク

①UPS側のバックアップ失敗(瞬断・停止)
機器側から瞬間的に大電流を引かれると、UPS側はそれを「ショート(過負荷状態)」と誤認します。その結果、UPSの過負荷保護回路が作動し、バッテリからの電力供給を直ちに停止してしまいます。
つまり、停電から機器を守るために入れたはずのUPSが、自ら出力を停止し、結果的に機器が不意にシャットダウン(電源断)してしまうのです。

② 機器側の電源ユニットの焼損・故障
突入電流は機器側の電源ユニット(内部のコンデンサやスイッチング素子)にも想定外の負荷をかけます。最悪の場合、ヒューズが飛ぶだけでなく、回路自体が焼損し、機器が物理的に故障するリスクがあります。

③ 隠れたリスク:「たまたま動く」ことの危険性
機器の消費電力が小さく、突入電流がUPSの保護しきい値を超えなかった場合、「矩形波UPSでもシャットダウンせずに動いてしまう」ことがあります。
しかし、産業用途においてこれは非常に危険です。正弦波を前提とした回路に急峻な波形を入力し続けると、電源内部の部品にダメージが蓄積します。定期的なバッテリテストや小規模な瞬断のたびに劣化が進行し、ある日突然、深刻なシステムダウンを引き起こす「時限爆弾」となり得ます。

安価だからと「矩形波出力」のUPSを選ぶと、いざという時にシステムを守れないだけでなく、二次被害を引き起こします。アクティブPFC搭載機器には、必ず「正弦波(せいげんは)出力」のUPSを選んでください。

使用の機器がアクティブPFC搭載か見分ける方法

「うちの工場の機器はどうだろう?」と気になった方は、導入している機器(または電源ユニット)のカタログや取扱説明書にある「仕様(スペック)表」を確認してみてください。

以下のうち、どれか一つでも当てはまれば「アクティブPFC搭載(=安価な矩形波出力のUPSはNG)」です!

  • 「力率改善回路」「PFC搭載」といった記載がある
  • 「力率(Power Factor)」の数値が「0.9以上」になっている
  • 適合規格に「EN61000-3-2(高調波電流規制)」の記載がある
  • PCやサーバーの仕様に「80 PLUS」認証がついている

近年作られた産業用制御機器やPC・サーバーは、その多くがアクティブPFCを標準搭載しています。スペック表を見ても判断がつかない場合は、システムダウンの重大なリスクを回避するためにも、迷わず「正弦波出力」のUPSを選択するのが最も安全で確実です。

UPS導入の最大の壁「バッテリ交換と廃棄」を解決する
オムロンのサービス

正しい正弦波のUPSを選んだ次に直面するのが「導入・運用コスト」「廃棄の手間」です。特に工場は分電盤内など温度が高くなりがちで、UPS内の鉛バッテリの寿命が通常より早く尽きてしまうという現場特有の悩みがあります。

そこで圧倒的におすすめしたいのが、オムロンのUPSと、その付帯サービスです。

課題①:特別管理産業廃棄物となる古いUPSの処分

解決策:オムロンの「リプレイスサービス」

UPS(鉛バッテリ搭載品)は特別管理産業廃棄物として厳重な処理が必要で、産廃業者への手配やマニフェスト管理など、総務・環境担当者にとって非常に面倒な作業です。

オムロンでは、新しいUPSに買い替える際、他社製の古いUPSであっても無償で引取り・処分を行います。廃棄コストと担当者の膨大な手間を削減できる画期的なサービスです。

\ 詳細や条件はこちら /

課題②:どうしても発生してしまう高額なバッテリ交換費用

解決策:オムロンの「バッテリ無償提供サービス」

工場で複数台のUPSを運用していると、バッテリ交換費用だけでも数十万円規模のランニングコストになります。

オムロンでは、UPS本体ご購入日より3年間、バッテリ無償提供を行うサービスを行っています。熱などでバッテリが劣化しやすい工場環境において、このコスト削減効果は絶大です。

\ 詳細や条件はこちら /

まとめ:正しいUPS選びで工場の「止まらない」環境を!

ゲリラ豪雨や落雷による「瞬低・停電」は、いつ起きてもおかしくありません。工場や事務所の資産と信用を守るためのポイントは以下の3つです。

  1. 雷サージ対応だけでなく、UPSによる瞬低対策を確実に行うこと。

  2. アクティブPFC搭載の機器は壊さないよう、必ず「正弦波出力」のUPSを選ぶこと。

  3. 導入後のランニングコストや廃棄の手間は、オムロンの「バッテリ無償提供サービス」「リプレイスサービス」を活用して賢く抑えること。

本格的な雷シーズンが到来する前に、自社の電源保護体制を見直し、最適なUPSの導入・リプレイスを検討してみてはいかがでしょうか。

自社の環境に合ったUPSの選び方でお悩みの場合は
ぜひお気軽に弊社までご相談ください。

《参考》オムロン UPS選定方法

てく未
てく未
エフ・エー・テクノのブログ担当です! 役立つ情報や業界の話題をわかりやすく楽しくお届けします。 ちょっとした裏話もぜひお楽しみください!よろしくお願いします!

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